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第二十七話 男装の麗人

last update publish date: 2025-08-04 07:53:03

第二十七話    男装《だんそう》の麗人《れいじん》

吉原に強烈な風が吹き、建物を揺《ゆ》らす。

「寒いし、見世が揺れてる……」 小夜がビクビクしていると、

「木枯らしかね~ 今夜は暇になるのかね~」 采は、キセルを持ったまま外を眺めていた。

昼見世の時刻、多くの妓女は張り部屋に入り客を待っていた。

しかし、木枯らしのせいで客足は芳《かんば》しくない。

「こんにちは~ 三原屋ですよ~」 梅乃は見世の外に出て、客引きをしていた。

「う、梅乃ちゃん……寒いから中に入ろう……」

古峰が梅乃に話しかけてきた。

「あら、珍しい……古峰が来るなんて」 梅乃は驚いていた。

普段、妓女の言葉のも返事さえしない古峰が自分から声を掛けに来たのだ。

「うん、でも、こんな時だから役に立たないと……」 梅乃は大声を出して客引きを続けている。

結局、梅乃が叫び続けたが集客ゼロのまま妓楼の中に入っていった。

「こう 風が冷たいと客は来ないか~」 梅乃がため息をつくと、

「それでも梅乃が頑張っているのを見ている人が居るわよ~」

小夜と励まし合い、手をニギニギしていた。

「梅乃、古峰と一緒に、買い物に行っておいで」 
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